独立性の検定 期待度数の最尤推定量の導出

[公開日]2017/08/26 [カテゴリー]仮説検定 Written by  IMIN

当ページでは、独立性の検定(カイ二乗検定など)における、期待度数の最尤推定量の導出について詳しく解説していきます。

仮定として独立性の検定において、以下のような二次元分割表を用いる場合を考えます。

結論から言うと、二変数が独立の場合、期待度数の最尤推定量は次式です。

分割表の各セルの期待度数の最尤推定量

\begin{eqnarray}
E_{ij} = \frac{n_{i.}n_{.j}}{N}
\end{eqnarray}

今回はこの式の導出過程を詳しく解説していくことにします。

独立性のカイ二乗検定に関してはこちら⇨独立性のカイ二乗検定 例題を用いてわかりやすく解説

 
 

期待度数の最尤推定量の導出

まず、一般的なr×c分割表を仮定します。ここでの最尤推定量に見ていきましょう。

分割表の各セルにおける期待度数は最尤推定量によって推定出来ます。まずは、\(p_{i.}\)と\(p_{.j}\)の最尤推定量\(\hat{p_{i.}}\)と\(\hat{p_{.j}}\)を導出します。

ここで、観測度数\(n_{ij}\)は確率\(p_{ij}\)で多項分布に従うのでつまり、

\begin{eqnarray}
P(X_{ij}=n_{ij}) = \frac{N!}{\prod_{i=1}^{c}\prod_{j=1}^{r}n_{ij}!}\prod_{j=1}^{c}\prod_{j=1}^{r}p_{ij}^{n_{ij}}
\end{eqnarray}

です。

上式の両編の対数尤度を求めると、

\begin{eqnarray}
logL &=& log\frac{N!}{\prod_{i=1}^{c}\prod_{j=1}^{r}n_{ij}!}\prod_{j=1}^{c}\prod_{j=1}^{r}p_{ij}^{n_{ij}}\\
&=&C + \sum_{i=1}^{c}\sum_{j=1}^{r}n_{ij}logp_{ij}
\end{eqnarray}

となり、この条件のもとで、\(logL\)を最大にする\(p_{i.}\)と\(p_{.j}\)を求めます。ラグランジュの未定乗数法により、

\begin{eqnarray}
L^{\ast} = C+ \sum_{i=1}^{c}\sum_{j=1}^{r}n_{ij}logp_{ij} - \phi_{1}(\sum_{i}^{c}p_{i.}-1)-\phi_{2}(\sum_{j}^{r}p_{.j}-1)\\
= C+ \sum_{i=1}^{c}n_{i.}logp_{i.}+ \sum_{j=1}^{r}n_{.j}logp_{.j} - \phi_{1}(\sum_{i}^{c}p_{i.}-1)- \phi_{2}(\sum_{j}^{r}p_{.j}-1)
\end{eqnarray}

が言えます。

よって以下の式から、最尤推定量を求めることが出来、

\begin{eqnarray}
\frac{\partial L^{\ast}}{\partial p_{i.}} = \frac{n{i.}}{p_{i.}}-\phi_1(\equiv0)\\
\frac{\partial L^{\ast}}{\partial p_{.j}} = \frac{n{.j}}{p_{.j}}-\phi_2(\equiv0)
\end{eqnarray}

よって、

\begin{eqnarray}
n_{i.} - \phi_1p_{i.} = 0\\
n_{.j} - \phi_2p_{.j} = 0
\end{eqnarray}

ここで上式の和をとると、\(\phi_1=\phi_2=N\)です。これを、一個前の式に代入して整理すると、\(p_{i.}\)と\(p_{.j}\)の最尤推定量\(\hat{p_{i.}}\)と\(\hat{p_{.j}}\)は、それぞれ下式になる。

\begin{eqnarray}
\hat{p_{i.}} = \frac{n_{i.}}{N} (i = 1,2,...,r)\\
\hat{p_{.j}} = \frac{n_{.j}}{N} (j = 1,2,...,r)
\end{eqnarray}

したがって、2つの変数が独立であると仮定した場合は、分割表における\(ij\)セル内の推定期待度数\(E_{ij}\)が推定でき、それは下式になります。

\begin{eqnarray}
E_{ij} = \frac{n_{i.}n_{.j}}{N}
\end{eqnarray}

この期待度数を用いて、独立性の検定を行うことになります。

独立性のカイ二乗検定に関してはこちら⇨独立性のカイ二乗検定 例題を用いてわかりやすく解説

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