偏差値の意味、求め方、性質などのまとめ

[記事公開日]2016/11/30[最終更新日]2016/12/03 [カテゴリー]正規分布 Written by  IMIN

模試などの通知表には、点数、順位、平均点の他に偏差値というのも載っていますよね。今回は、その偏差値に関するまとめです。まず偏差値は、以下の計算式で定義されています。

$$偏差値=\frac{(得点ー平均点)}{\ \ \ \ \ \ \ \ 標準偏差\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ }  ×10+50$$

つまり、標準偏差と平均点さえ分かれば、自分でも偏差値を求めることができるのです。ここでは、偏差値とはそもそも何か。なぜ、このような式で定義されているのか。なぜ、それが学力を測るメインの指標として使われているのか。といったことを解説していきます。

 
 

偏差値とは?

偏差値とは、周りの全ての受験者の点数と自分の点数を比較することによって、得られる数値です。点数のデータを正規分布に従うと仮定した上で、平均が50、標準偏差が10(分散100)となる様に規格化することで求められます。

そして、偏差値が50ならば平均点と同じ点数。偏差値が高いほど、周りの人と比べて、比較的高い点数を取ったことを示し、低いほど低い点数を取ったことを示します。

偏差値という指標が便利なのは、別のテストでも偏差値を比べることで、ある程度点数の比較ができる点にあります。

例えば、Aさんが前回の学校の数学のテストでは80点でしたが、今回は、50点を取ったとしましょう。点数は30点下がっています。でも、この二つのテストの点数だけを比較するのが、ばかばかしいことは明らかですよね。なぜなら、テストの問題が違い、難易度も違うからです。今回がたまたま難しかったのかもしれません。

では、前回のテストの平均点が90点で、今回のテストの平均点が30点という情報が分かったらどうでしょうか?点数は前回の方が高かったわけですが、今回のテストの方がいい成績だったと言えるかもしれません。この例からも、テストの点数だけの比較では、別々のテストを比べることは出来ません。それはメートルとインチを、そのまま比較しているようなものです。

点数をそのまま比べられないならどうするか?そこで、周りとの比較という考え方が登場します。その点数が周りの点数と比較して、どの程度の位置にいるのか。それを数値として表したものが、偏差値です。そして、別のテストだったとしても、偏差値同士を比較することによってある程度の比較はできるというわけです。このとき、周りの受験者のレベルは変わらないという仮定があるので、厳密には完全な比較が出来ているとは言えません。しかし、点数同士をそのまま比較することに比べたら、はるかに公平な比較と言えるでしょう。

偏差値の性質(偏差値70以上は何%?)

標本が正規分布に従うとき、偏差値は平均50、標準偏差10の分散に従います。よって以下の様な性質が言えます。

  • 偏差値45〜55に属する人は、全体の約38.3%
  • 偏差値40〜60に属する人は、全体の約68.3%
  • 偏差値35〜65に属する人は、全体の約86.6%
  • 偏差値30〜70に属する人は、全体の約95.5%
  • 偏差値60以上(40以下)に属する人は、全体の15.9%。
  • 偏差値70以上(30以下)に属する人は、全体の約2.28%
  • 偏差値100以上(0以下)に属する人は、全体の約0.00002%

偏差値の分布は正規分布に従うので、理論上はどんな値でも取ることが出来ます。例えば、「偏差値1億」や「偏差値マイナス100」というような極端な値にもなりうるわけです。

偏差値を求める式の意味

$$偏差値=\frac{(得点ー平均点)}{\ \ \ \ \ \ \ \ 標準偏差\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ }  ×10+50$$

当ページ冒頭にもあるこの式ですが、その意味を見ていきましょう。

まず、式の第一項\(\frac{(得点ー平均点)}{標準偏差}\)の部分では、正規分布の標準化という操作をしています。これは、正規分布を標準正規分布の形に変形することを指します。これによって、受験者の得点がどのような形の正規分布に従っていても、同じ指標に変換して比較できると言うわけです。

次に、標準化した結果を10倍しています。ここで10倍をする理由は、標準化によって得られる数値が、あまりにも小さいことから来ています。数値が小さくて分かりにくいので、10倍して分かりやすくしているのです。

例えば、標準化した数値が1.96以上の値を取る確率はわずか2.5%です。標準化した結果を10倍しなかった場合、偏差値48.04~51.96の間に、95%の点数が集中することになります。こうなると、かの有名な東京大学理科1類の偏差値は、とあるデータによると今の偏差値は74ですが、52.4になってしまいます。同じ指標で考えたときの、東京理科大学の理工学部は偏差値51.2ということになります。これでは、「東大と偏差値が1.2しか変わらないじゃないか!!!」というようなことになってしまいますよね。そこで、違いをもっと明確にするために10倍しています。これは、標準化した結果に施しているので、標準偏差を10倍にする操作に等しいです。

そして、最後に50を足すという操作は、偏差値の分布の平均を50にするために行っています。これも平均は50の方が、指標として分かりやすいことから来ています。

この操作によって、どの様な(正規分布に従う)得点分布も、平均50,標準偏差10の正規分布に規格化(得点調整)されるというわけです。

高校や大学の合格難易度を示す偏差値の意味

偏差値には、それぞれの得点に割り当てられる偏差値の他に、学校の難易度を示す指標としての偏差値もあります。「〇〇高校の偏差値は65」といったようなものです。この値は、大体偏差値65くらいあれば◯◯高校に合格できるということを示すものです。

なぜ、塾によって偏差値が変わるのか?

高校や大学の難易度を表す偏差値は、塾や予備校が個々に出しています。そして、その値がしばしば塾によって異なります。それはなぜなのでしょうか?

結論から言うと、塾や予備校が作っている模試を受ける生徒が違うからです。塾や予備校は、模試などで登録する志望校の調査によって、各学校の合格難易度を推定しています。模試を受ける学生が違ければ、推定に使っている標本が違うと言うことなので、推定値も変わるというわけです。

偏差値が役立たずになるとき

受験者数が少ないとき

偏差値は、受験者の点数を正規分布に従うと仮定して行います。これは、標本の数が増えると、世の中のものは正規分布に従うという性質を利用しています。なので、受験者数が非常に少ない試験では、偏差値という指標はあまり当てにならなかったります。極端な話、5人しか受験生がいない試験では、偏差値を求めたところであまり参考にはなりません。

受験者全員の点数が等しいと偏差値は計算不能!

偏差値を求めるときに、\(\frac{(得点ー平均点)}{\ \ \ \ \ \ \ 標準偏差\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ }\)という計算が必要になります。しかし、もし受験者全員の点数が等しいとすると、標準偏差は0になるので、分母に標準偏差があるこの式は定義不可能です。このように、全員の点数が等しいときは、偏差値を計算することは出来ません。もっともこの場合は、全員の点数が等しいので、偏差値など計算をするまでもありませんが。ちなみに、この様な場合は便宜上、全員の偏差値を50とする場合もあります。

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