幾何分布の確率密度関数からの期待値と分散の導出

[公開日]2017/07/24 [カテゴリー]幾何分布 Written by  space

当ページでは幾何分布の確率密度関数から、その期待値と分散の導出を行なっております。式だけではなく、丁寧に解説を加えることで、導出の過程を出来るだけ分かりやすくまとめました。

確率密度関数\(f(x)=p(1-p)^{x-1}\) ただし、\(x=1,2,\dotsb\)
期待値(平均)\(E[x]=\frac{1}{p}\)
分散\(V[x]=\frac{1-p}{p^2}\)
積率母関数\(\frac{pe^t}{1-(1-p)e^t}\)
 
 

幾何分布とは?

幾何分布(geometric distribution)とは、同じ試行(例:コイン投げなど)を繰り返し行うときに、最初に成功するまでの試行回数を確率変数\(x\)とします。成功の確率を\(p\)、失敗の確率を\(q=1-p\)とすると確率密度関数は

幾何分布の確率密度関数

幾何分布の確率密度関数は$$f(x)=p(1-p)^{x-1}$$   ただし、\(x=1,2,3,\dotsb\)

 幾何分布の期待値の導出

\begin{align}E[x]&=\sum_{x=1}^\infty xp(1-p)^{x-1}\\&=p\sum_{x=1}^\infty x(1-p)^{x-1}\end{align}

ここからは\(\sum\) から先について求めていきます。ここで\(\frac{1}{1-x}\)のマクローリン展開を考えると、

$$\frac{1}{1-x}=1+x+x^2+\cdots=\sum_{k=0}^{\infty} x^k$$

これを両辺\(x\)で微分すると、

$$\frac{1}{(1-x)^2}=\sum_{k=1}^\infty kx^{k-1}$$

ここで上の式に\(x=1-p,k=x\)を代入すると右辺は、

$$\sum_{x=1}^\infty x(1-p)^{x-1} $$

となって最初の式の\(\sum\)以降の式と一致します。よって、期待値は

$$E[x]=p\times \frac{1}{(1-(1-p))^2}=\frac{1}{p}$$

幾何分布の分散の導出

次に分散を求めます。分散を求めるには\(V[x]=E[x^2]-{E[x]}^2\)を利用しますここで2次モーメントを求めるために、階乗モーメントを利用します。

ここで先ほど求めた、

$$\frac{1}{(1-x)^2}=\sum_{k=1}^\infty kx^{k-1}$$

この式をもう一度微分すると、

$$\frac{2}{(1-x)^3}=\sum_{k=2}^\infty k(k-1)x^{k-2}$$

この式に両辺\(x\)をかけて、先ほどのように\(x=1-p,k=x\)を代入すると、

$$\sum x(x-1)(1-p)^{x-1}=\frac{2(1-p)}{p^3}$$

よって、階乗モーメント\(E[x(x-1)]\)は,

$$E[x(x-1)]=p\sum x(x-1)(1-p)^{x-1}=\frac{2(1-p)}{p^2}$$

したがって、分散は

\begin{align}V[x]&=E[x^2]-{E[x]}^2\\&=E[x(x-1)]+E[x]-{E[x]}^2\\&=\frac{2(1-p)}{p^2}+\frac{1}{p}-\frac{1}{p^2}\\&=\frac{1-p}{p^2}\end{align}

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