2019/02/12
2020/05/27
ARMAモデル(自己回帰移動平均モデル)について分かりやすく解説!
今回はARMAモデルについて解説していきます。ARMAモデルはARIMA、SARIMAモデルの基礎にもなっています。
ARモデル、MAモデルを理解したうえでARMAモデルを勉強するとすんなりいくでしょう。
ARMAモデルの概要
ARMAモデルとは
ARMAモデルは現在の値\( y_{t} \)を過去の値とホワイトノイズの和によって表現するモデルです。
ARモデルとMAモデルから構成されるモデルと考えることもできます。
以下のARMAモデル式を見てみましょう。
\( y_{t} =c + \phi_{1}y_{t-1} + \phi_{2}y_{t-2} + \cdots + \phi_{p}y_{t-p} + \varepsilon_{t} + \theta_{1}\varepsilon_{t-1} + \cdots + \theta_{q}\varepsilon_{t-q} \)
上記のARMAモデルは\( ( p, q ) \)次ARMAモデルと呼ばれます。または、ARMA\( ( p, q ) \)モデルと表記されます。
\( ( p, q ) \)という二つの変数はどこから出てきたのでしょう。これは\( p \)次ARモデルと\( q \)次MAモデルであることを意味しています。
上記のARMAモデルは\( \Sigma \)を用いてシンプルに表現することもできます。
\( y_{t} =c + \varepsilon_{t} + \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ p } \phi_{i}y_{t-i} +\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ q } \theta_{i}\varepsilon_{t-i} \ \ldots \ (1) \)
上記の\( \Sigma \)を用いたARMAモデル式を見ると\( p \)次ARモデルと\( q \)次MAモデルから構成されていることがよく分かります。
ARMAモデルの定常性
ARMAモデルが\( p \)次ARモデルと\( q \)次MAモデルを組み合わせたモデルであることは説明しました。
次はARMAモデルの定常性について考えてみましょう。
どのようなときにARMAモデルは定常過程となるのでしょうか。
構成するARモデルとMAモデルが定常である時、ARMAモデルは定常過程となります。
MAモデルは常に定常であるから、ARモデルが定常であるとき\( ( p, q ) \)次ARMAモデルが定常過程となります。
ARMAモデルの統計量
ARMAモデルの期待値、自己共分散、自己相関はどのような値になるのでしょうか。
以下では定常ARMA\( ( p, q ) \)モデルの\( (1) \)式について統計量の値を示します。
導出の方法については詳しく触れませんが、MAモデルの期待値や自己共分散と同じ方法で求めることができます。
また\( 0 < j \leq q \)の時、\( j \)次自己共分散、\( j \)次自己相関は一般には求まりません。
期待値 : \( \mu = E[y_{t}] = \displaystyle \frac{ c }{ 1 – \phi_{1} – \phi_{2} – \cdots – \phi_{p} } \)
自己共分散 : \( \gamma_j = Cov[y_t, y_{t – j}] = \theta_1\gamma_{j – 1} + \theta_2\gamma_{j – 2} + \cdots + \theta_p\gamma_{j – p}, \quad q < j \)
自己相関 : \( p_j = \theta_1p_{j – 1} + \theta_2p_{j – 2} + \cdots + \theta_pp_{j – p}, \quad q < j \)
まとめ
この記事ではARMAモデルの概要、定常性や統計量について解説しました。
構成するAR過程が定常であるとき、ARMAモデルも定常過程になることは覚えておきましょう。
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